地域をつくる仕事。
胎内市本郷町・西条町を走る「3・4・4・西中央通線」。周囲には、大規模工場のほか、総合体育館やグラウンド、小学校などが点在し、子どもたちも含め多くの市民が行き来する生活道路です。が、道路幅が狭い上に歩道がないという問題を持っていました。その課題を解決するための道路整備を担ったのが、小野組の土木部門の頼れるリーダー、堀さんでした。
この記事に登場する人
堀 徹
シビルエンジニアG 工事S グループリーダー
安全な暮らしを守る。
小野組が関わる工事の多くは、地域の人々が安全で便利に暮らせるための基盤づくりです。土木部門では公共事業が主流で、今回の工事も、新潟県新発田地域振興局から発注された道路の拡幅と歩道の新設を含む道路改良工事でした。
地盤は良好で、市街地なので工事区域は平坦。適用工法や技術は一般的なものでしたが、ただ、車と人の安全を守るための工夫と細やかな配慮、綿密なスケジュール管理が必要でした。
工事予定の道路は民家の敷地に接近しているので慎重な作業が必要であり、沿線にある大工場への物流と通勤を停滞させず、小・中学校や子ども園、グラウンドへの安全な行き来を守る、つまり、通常の交通と工事を両立させることが命題でした。
住民の信頼に応える。
2020年2月に工事受注が決定し、直ちに現地調査と工事の準備に入りました。工事区間の電話・ガス・水道の移設手配、沿道の学校や企業、区長への周知、住民へは一軒一軒声を掛けて工事の目的や内容を伝え、工事への不安や疑問を払しょくできるように努力しました。
でも、こういう時に相手にいやな顔をされることがないんです。昔から当社の社員は地域でまじめに仕事をしていたんでしょうね、「小野組さんの工事なら」と理解していただけます。それだけに、この信頼に応えなければと、気を引き締めて工事にあたりました。
交通を阻害しないよう、工事中も常時二車線での交通を確保する、登下校・入退社の時間帯はより一層安全に配慮する、子ども園の昼寝の時間は騒音や振動の出る作業を控える、または、工法を変える、療養中の方がいる家の付近でも同様に静かな作業を心がける――など、地域の特性に合わせ、「やれるときにやれることを」の発想で計画を立て、協力会社と連携を図って工事を進めました。
地域の安全のために。
2020年2月から準備を始め、4月26日に工事をスタート。現存道路の左右をそれぞれ1車線分ずつ広げ、合計4車線分を「今月は右2車線を通行エリアにして、左2車線で工事」「次は、中央2車線に車を通して、左右で工事」など、進展に合わせて通行エリアと作業範囲、歩行者用通路に振り分けて工事を進めています。
工事は順調に進み、現在は、工事期間約8か月を5ステップに分けた2ステップに差し掛かったところです。今後、予想される難関は交差点の工事です。既存の県道と改良工事中の道路ではわずかな高低差が生じるので、その平坦化が必要になるのです。
工事が終了すると、中学生が自転車で登下校できる、広い歩道を持つ道路が誕生します。将来的に予想される交通量の増加、災害時のスムーズな避難にも対応できる、地域のための道路です。最後まで気を抜かず、しっかりと完成させたいと思っています。
土木の魅力はさらに輝く。
土木の魅力は、苦労して作ったものが形として残り、多くの人に使ってもらえることです。大変であればあるほど記憶に残り、やり遂げた感も大きくなります。発注者から表彰されれば、達成感はさらに大きくなります。
今回の道路も完成したら、孫を車に乗せて通ってみようと思います。「この道はじぃじが造ったんだ」と自慢しながら。それも魅力です。
昔、土木は3Kと言われたりしましたが、今は、時代が変わりました。ほどなくICTやAI活用の工事が主流になっていくでしょう。ゲームのようにリモコンで重機が操作できるようになって、新しいおもしろさややりがいが生まれるかもしれません。魅力がますます大きくなるに違いありません。